イカを捌くと手がかゆくなる・・・何だこりゃ?

スルメイカを捌いた時に指がイタイッ!

一之瀬丸でイカのノリノリを体験した後のこと。

一之瀬丸よりヤリイカ!スルメイカ!ノリノリで大満足!
春イカチャンス到来か? 金沢八景一之瀬丸でヤリイカ・スルメイカの釣果がトップ100越えを記録したのがおよそ2週間前。 これまでツ抜けをほとんどしたことないので、記録更新のチャンスか!?と思い即予約。 同じように考える人...

意気揚々と帰って家族にイカを自慢する!

ヤリイカはお刺身用!スルメイカは加熱用と塩辛と一夜干し!と思いとりあえずスルメイカの仕込みから開始。

ヤリイカと同じように胴体に指を突っ込んで引っ張る・・・

ピリピリ・・・チクチク・・・

あれ?と思った矢先・・・

イタイイタイ!痛いぞ?

なんと指がチクチク痛むのだ。

いったいこれは何なんだ???

一旦手を洗うと痛みが引いてきた・・・

このままでは埒が明かない・・・そうだ、梅干しを作った時に買っていた食品用の手袋があるじゃないか!

とりあえず手袋をすれば痛みは来ないのでこのまま一気にスルメイカを捌いていく。

一体原因は何?

最初は食物アレルギーを疑った。

食物アレルギーがある場合、その食品を触っただけもアレルギー反応を起こすことがある。

スルメイカの場合はイカアレルギー。甲殻類アレルギーか?

だけど、普段はイカもエビもカニも普通に食べている。

アレルギーなので急に発症してもおかしくないが、(1) 手を洗うとすぐに収まる、(2) ヤリイカや他のイカではかゆくならない ことからもイカアレルギーというのは考えにくい・・・

いろいろ調べてみると、「トリメチルアミンオキサイド (TMO)」という仮性アレルゲンが原因だという可能性と、イカの精莢が原因だという可能性が出てきた。

トリメチルアミンオキサイド (TMO) 説

トリメチルアミンオキサイド(TMO)とは仮性アレルゲンの1つであり、接触によりアレルギー反応(かゆみ等)を引き起こすようである。

スルメイカに含まれるTMOが原因であった場合、当然他のイカや魚介類に含まれるTMOにも指が反応しそうではある。

カレイ、タラ、スズキ、タコ、アサリ、ハマグリ、エビ、カニなどの魚介類にはトリメチルアミンオキサイドが含まれており、アレルギー様反応を呈する。

http://www.kishidakodomo.com/Allergy/food/FA3-11.html

こちらのサイトにも複数の魚介類にTMOが含まれると指摘しているが、今のところスルメイカ以外で同じような痛みを感じたことはない。

それでは、スルメイカのTMOだけ取り立てて含有量が多いのだろうか?

ググってみると水産大学の1960年代の研究業績論文がヒットした。(http://www.fish-u.ac.jp/kenkyu/sangakukou/kenkyuhoukoku/17/17-2-2.pdf

こちらの論文ではイカ類に含まれるTMOがどのように分布しているのかを調査している。

ざっと見てみるとイカ全体としてTMOの分布はボディ部分が多く内臓(中腸線)部分には少ないとのこと。

そして、他のイカに比べてスルメイカの含有量が多いかと言えばそうではない。

以上より恐らくTMOが原因ではなさそう。

(ただし、1960年代のデータであるのに加えてサンプル数も多くないため、この仮説を棄却するには十分なデータではないと言える。あくまで個人の推察の範囲ではということで。)

イカの精莢説

調べてみると興味深い記事を見つけた。

半生イカを口に入れ、韓国人女性の舌が受精https://jp.sputniknews.com/incidents/201806084969684/

なに?と一瞬思ったがどうやら、イカが持つ「精莢(せいきょう)」という交尾に必要な部位の先端が釣りバリのカエシのような鍵状になっており、それを生のまま食すと口の中が大変なことになるというものらしい。

こちらのTSURI NEWSでイカが持つ「精莢」について詳しく解説が書いてある。

魚介類の「食べるな危険」部位:イカの『精莢』 摘出手術が必要な場合も | TSURINEWS
先日、イカメタルでケンサキイカを釣り上げた時、線状になった白い糸のようなものを吐きました。実はこれ、イカの精子が入った精莢(せいきょう)という生殖器官で、誤って口にすると口腔内に刺して傷を負う可能性がある危険部位のようです。

スルメイカの繁殖期については確かな文献をさがすことはできなかったが、こちらのWEBサイトでは、伊豆半島で4月8月と記載されており雄は2~3カ月早く成熟するとあるので3月には既に精莢が成熟していてもおかしくはなさそう。

結論!イカを捌くときは手袋をしよう!

結局、原因は何か確定はしていないのだが、スルメイカを捌くと手がかゆくなり、調理用の手袋をしているとかゆくならないということははっきりしたので、これからは調理用手袋を使ってスルメイカを捌いていこうと思う。

いや、もしかすると他の魚も調理用手袋を使って捌いた方が衛生的&捌きやすいのではないか?とも考えている。

【2023年追記】オススメの調理用手袋

この時期を書いてからいろいろ調理用手袋を探して試してみた。

素材としてはビニール、天然ゴム、ニトリル、ポリエチレンの4種類が主にある。

ポリエチレンについてはいわゆるビュッフェなどで配られているようなブカブカでツルツルのものであるので包丁作業や細かい作業には向いていない。

また、天然ゴム(ラテックス)素材のものは人によりアレルギーを発症する可能性もあるので、オススメは食品にも使えるニトリル素材のものが良いだろう。

私がよく使っているのはコチラ。

ショーワグローブのニトリストシリーズ!

出典: https://www.showaglove.co.jp/product/detail/professional/523

用途によって様々なタイプが準備されているが、魚を捌くのであればニトリスト・タフが一番良い。

HPでは「食品加工など食品に直接触れる作業でもお使いいただけます。」とあるし、「ラテックスアレルギーの元となるタンパク質を含みません。」とも記載がある。安心だ。

そして、Amazonでもかなりお安く買える。

 

 

 

 

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