意外と出番のない?スピニングリール
船釣りを始めるのだけどリール何を買えばわかりません!というような質問を受ける度に、この世には「スピニングリール」と「両軸リール」というのがあってね・・・という説明からスタートする。
LTアジやLT五目といったオモリを船から底まで上下に動かすことをメインとする釣りからスタートすることが多いので、まずは両軸リールを買いましょうと言うわけだ。
両軸リールの場合、仕掛けを真下に落とすことは得意なのだが、遠くに投げるキャストをするにはコツがいる。
リールの各種ブレーキの調整も重要になるし、仕掛けが着水する際にサミングというスプールを親指で軽く押さえてあげてブレーキをかけてあげることをしないと、糸がぐちゃぐちゃに絡んでしまうバックラッシュが発生するわけだ。
一方でスピニングリールはその構造上バックラッシュは発生しないため、遠くにキャストをする釣りやメチャクチャ軽い仕掛けを使う釣りなどで利用される。
船からの餌釣りの場合はシロギス、アナゴ、一つテンヤマダイ、ティップランエギング、スッテスミイカなどで利用されることが多い。
近年ではカワハギ釣りや他の餌釣りにもスピニングリールを積極的に使おうという派閥もあるようであるし、逆にシロギスやアナゴを両軸リールでやる人も多い。
要は好みなのであるが個人的には「シロギス」と「一つテンヤマダイ」と「イカメタル(オモリグ)」と「スーパーライトジギング」ではスピニングリールを使うことにしている。
今回は船釣りでおすすめのスピニングリールについて紹介していきたい。
なお、理想的には釣りものによってサイズであったり糸巻き量であったりモデルであったりを使い分けるのが良いだろうが、今回は超汎用的でとりあえずこれ1台あればいろいろ何とかなるぜというスピニングリールにフォーカスをしている。
無論、船釣り以外にも陸からの釣りなどで汎用的に使える物を紹介するので1台は持っておくと便利だろう。
超汎用的なスピニングリールの選び方
1.超汎用的な糸巻き量は?
スピニングリールを選ぶにはまずサイズ(糸巻き量)から決めていく必要がる。これは両軸リールでも同様である。
主なメーカであるシマノもダイワもそれぞれ糸巻き量を表す番手(数字)がモデルに記載されており、例えばシマノのC3000番であればPE1号が400m巻ける。
基本的にシマノもダイワも番手が大きくなると糸巻き量もサイズも大きくなると考えてよい。シマノの場合は2500番のように番手だけのモデルとC3000番などという「C」が付いているモデルがあるが、Cが付いているモデルはコンパクトモデルとなっていて、一つ番手が下のボディサイズとなっている。
つまり、C3000番は2500番と同じボディサイズなんだけど糸巻き量は3000番と同じだよ!というわけだ。
またシャロースプールモデルということで番手の後ろにSが付いているモデルも要注意。これは細い糸を使う人をターゲットに作られたモデルで2500番だとPE1号が320m巻けるモデルが2500S番だとPE1号が150mしか巻けない。
で、結局どのサイズを選ぶのか?ということだが、船釣りの場合はPE0.8号を巻いておけば全く問題ない。初心者で不安な人はPE1号でもOKである。
シロギスや一つテンヤ程度の釣りものであれば 150m 巻いておけば十分だし、かなり深場をするのであれば念のため200m巻いておけばよい。
なので、ラインキャパシティとしては PE1号が200m巻けるサイズあればかなり汎用的に使えるはずである。
シマノであれば2000番、2500番、3000番あたりのラインキャパシティであれば問題ない。浅場にしか使わない人であれば 2500S 番もOKだ。
ダイワでも同じく2000番~3000番が良いだろう。ダイワの場合は深いスプールを採用した2500D番などもあるがすごい深場をやるわけでないのであれば積極的に選ぶ必要はなさそうだ。シマノ同様シャロースプールの2500S番も場合によってはOKだ。
ちなみに、糸巻きキャパが大きすぎる分には下巻きをすればよいだけの話なのであまり気にしなくては良いだろう。
2.超汎用的なサイズは?
糸巻き量が決まれば次はボディサイズだ。
ボディサイズについては大きくなれば当然重くなる。一方で大きい方がリールとしてのパワーが強くなる。
そのため釣る魚とタックルのバランスでサイズを決めるのが良い。
シロギスのような15号オモリを使った軽めの釣りの場合は2000番が最適であるが、2500番 (C3000番)でも対応は可能だ。
一方でデカいマダイがかかる可能性のある一つテンヤマダイではあるが繊細な仕掛けを取り扱うため 2500番 (C3000番)が良さそうだ。
ライトジギングにしても同様のサイズか1番手上の3000番 (C4000番)が使いやすいだろう。
結局、どれが一番汎用的かというと、やはり 2500番 (C3000番) が船釣りには超汎用的で1つ持っておくべきサイズのスピニングリールであるだろう。
私もいろんな番手のスピニングリールを持っているのだが、船釣りに連れて行くのはほぼC3000番である。シロギスもアナゴも一つテンヤも玄界灘のスーパーライトジギング(SLJ)もすべて同じリールで楽しんでいる。
3.超汎用的なギア比は?ハイギア?
スピニングリールは比較的両軸リールよりもギア比が高いリールではあるが、そのなかでも、通常ギア、ハイギア(HG or H)、エクストラハイギア(XG or XH)とラインナップされている。
これははっきり言って好みの問題であるが、悩んだらハイギアを買っておくのが汎用的だと私は考えている。
ギア比が高くなればなるほど巻き取り量が増えるので楽に仕掛けを回収できる一方で、その分力が必要となる。ジギングなど素早い動きが必要な場合はXGを選ぶ方が良い時もあるが、最初の1台、悩んだらハイギアが丁度良いだろう。
4.超汎用的なモデル・価格帯は?
スピニングリールについては各社様々なモデルをラインナップしている。モデルによってデザインコンセプトが違うものもあるが、基本的には高価なモノほど巻き心地が素晴らしく最新技術を導入しており、軽くて丈夫である。
そのため、お金に余裕がある人は是非とも最上位モデルを購入していただきたいと思うのでありますが、一方で、初めてのスピニングリールでそこまでお金出せないよという人達でも選べるスピニングリールは沢山あるのでご安心を。
そうはいってもやはり、最初はダイワやシマノといった有名メーカーのリールを選ぶのが良いだろう。
感覚的には5000円 ~ 10000円ぐらいのラインナップは最低でも選びたいところだ。あとは12000円 ~ 20000円前後のモデルになってくると徐々に上位機種でも使われているテクノロジーが使われ始めたりもするのでコスパに非常に優れたモデルも増えてくる。
今回は2万円台以下で購入できるコスパも良い汎用スピニングリールをご紹介したい。
超汎用的スピニングリール3選(メーカ/価格別)
シマノ
シマノのスピニングリールであればやはりC3000HGの番手のリールが良いだろう。価格帯別オススメリールは以下の通り。
21 アルテグラ:1万円台前半
個人的にはコスパ最強のリールだと考えていて私は中学生の頃から愛用しているモデル。現在使っている船釣り用のスピニングリールは1世代前のアルテグラであるが C3000HGモデルを利用している。今でも現役バリバリで悩んだらコレを買って間違いない。価格も13000円前後とお求めやすいのも最高。
23 ストラディック:2万円前後
2023年9月発売のニューモデル。上位機種の技術を惜しみなく使ったせいで最上位モデル売れなくなるのでは?と危惧されるほどのコスパ。コスパでいうと鬼レベル。私も日本にいたら速攻購入していたと思う。C3000HGが鉄板だが小さいサイズも気になっている。次の帰省のタイミングでの購入を密かに狙っている・・・
22サハラ:驚きの7千円前後
コスト重視派の人にオススメするのが2022年リニューアルしたサハラ。汎用的な安価スピニングリール代表である。悩ましいのは同じ価格帯に2023年にリニューアルしたばかりの23セドナと21ナスキーがあることである。
機能的にも値段的にも 23セドナ (6千円) < 22サハラ (7.5千円) < 21ナスキー (9.5千円)で僅差あるのだが、正直ナスキーいくならアルテグラ頑張って欲しいと思う。
とにかく安くしたい人は23セドナでもOKだがオススメは22サハラかな?ベアリングも1つ多いし防水機構もより強固。
ダイワ
ダイワのスピニングリールであればやはりLT3000-XHの番手のリールが良いだろう。価格帯別オススメリールは以下の通り。
21フリームス:1万円台前半
シマノのアルテグラとこのフリームスにするかで悩みに悩んだ。結局デザインとこれまで使ってきたシリーズだということでアルテグラを購入したがそれと同じぐらいよくできているのはフリームス。ダイワはシマノよりも巻き出しが気持ち軽い気がして良い。LT3000-XHは非常に汎用的に使えるだろう。
21 カルディアLT:1万円台後半
フリームスの上位モデルだけあって出来は非常に良い。フリームスと悩んでいるときにも常にカルディアは視界にあった。当時の私はリールに2万円ちかくなんてとても出せなかったので泣く泣く諦めた思い出。懐に余裕がある人は是非とも釣り具屋で触ってみて欲しい。マジで欲しくなる。
23 レガリス:1万円台後半
2023年9月にモデルチェンジをしたダイワコスパ最強スピニングリール。私は前のモデルのLT2000S-XHをアナゴ・キス用に購入してみたがサイズが小さく今ではアジング用になっている。LT2500 – LT3000であればキスにも丁度良さそうだ。ドラグの滑りも良いし最高のコスパリールだと感じている。
まとめ
以上、超汎用的で入門者にも購入しやすい価格帯のスピニングリールを紹介してきた。私にはまだ無理だが、お金がある人は是非このラインナップにこだわらず、ツインパワーなどの上位モデルを買っていただきたいと思う。
いずれにしても、船釣り用途であれば、サイズとしてはシマノならC3000HGが、ダイワなら LT3000-XHが超汎用的なスピニングリールであるので最初の1台に悩まれているのであればこのサイズを購入していただきたいと思う。
そして、シマノ派の人はシマノを、ダイワ派の人はダイワを選べばよいが、
- コストを抑えたい人は 23 セドナ
- 1万円以下コスパ重視であれば23レガリス
- 1万円前半コスパ最強であれば22アルテグラ
- 1万円後半コスパ最強であれば21カルディアLT
- 2万円まで出せる人は23ストラディック
が間違いないだろう。